「IFRSフレームワーク」の静かな衝撃

IFRS(イファース)。

「国際財務報告書基準」。

一昨年あたりの「IFRS騒ぎ」-セミナーや雑誌が「IFRS」で花盛りだった-は、すっかり収まった感がある。

現在は、IFRSへの対応は、実務的に、静かに浸透しつつあるというとろだろうか…。

「IFRS」自体は、投資家のための「財務報告書」ということになるから、「IR」に近い感覚で捉えることもできる。

しかし、IFRSというものの影響は、いくつかの点で、やはり今後、会計や経営にかなり大きく深く広がってくるものと考える。

例えば、IFRSの「資産ー負債アプローチ」というもの。

利益の定義が変わった。

一義的には、利益とは、「売上から費用を引いたもの」では「なくなった」のだ。

「パチオリ図」を思い出していただきたい。

「パチオリ図」は、上がB/S、下がP/Lであり、上が、「資産ー負債」アプローチによる利益、下が、「収益ー費用」アプローチによる利益を示している。

これまで、簿記会計(実務でも学習でも)では、図の上の「資産ー負債」(ストック)アプローチによる利益の算出については、あまり大きくは触れられてこなかった。

実務的にも、「パチオリ図」の下の部分、「収益-費用」(フロー)アプローチが大きく取り上げられてきたのだ。

しかし、今後のIFRS時代、大きく頭を切り替える必要がある…。