「経営者の役割」バーナード(2)ガイダンス1 経営者の体験を

「経営者の役割」 バーナード (2) ケネス・アンドリュースによるガイダンス1

、「経営者の役割」について、SWOT分析で有名なハーバード・ビジネススクールのケネス・アンドリュースがその意義を述べている(30周年記念版序言)。

これをベースに「経営者の役割」のガイダンスを行ってみよう。

「経営者の役割」という本の目的は、組織において、人々が協力して、ある目的を達成するという「協働」行動の包括的な理論を提示することだ。

バーナードは、アメリカの電話会社の社長を20年間務めた実務家だ。

その社長在任中にこの本を書き上げた。

経営者として成功を収めた人は数多くいる。

その体験から経営論を書いた人も多い。

中には、素晴らしい経営論もある。

経営者による経営論は、その企業の業績が良いときは輝いてみえるが、業績に陰りが出ると

どうしても有難みも薄くなってしまう。

「経営者の役割」の本文は、「難解」で知られている。

抽象的である。

どの時代のどの国のどんな業種の経営に携わっていた人が書いたのか、まったくわからない。

バーナードの20年にわたる実際の体験が抽象化されているのである。

抽象化、一般化することによって、時代や業種を超えることができた。

抽象化することは、難解にすることではなく、具体的な経験からなんとか「普遍的な原理」を導き出そうとするものだ。

どんな「普遍的な原理」か?

バーナードが真正面から取り組んだのは、

「人間にとって、組織とは何か?」

そして、

「経営者、管理者は何をすべきなのか?」

というテーマだった…。

このことに成功したことで、

組織論、経営論の分野で近代的組織論を打ち建て、

「バーナード革命」と称賛されることになった。